人と組織を操る闇の力
あなたは、「あの人はなんで上の人達を取り入れるのが得意なんだろう?」って思ったことはありませんか?
きっと賄賂(わいろ)贈ってるんだ・・・
順当に昇進していくタイプ、仕事がどんどん任される人は大抵は「人を影で操る」スキルに長けています
組織を大きく動かすために、上司を、部下を、同僚をコントールし、自在に操って自分のポジションを構築して成功へと導く
そんな「ダークサイドスキル」を習得したいなら、この本!
「ダークサイドスキル 本当に戦えるリーダーになる7つの裏技」の基本情報
著者:木村尚敬
出版社:日本経済新聞出版
定価:1,650円(税込)
ページ数:272ページ
出版日:2020年10月2日
著者の木村尚敬さんは、株式会社経営共創基盤(IGPI)共同経営者マネージングディレクター。
事業戦略策定、経営管理体制の構築、全社経営改革、事業強化など、「修羅場企業」のコンサルを多数手がけておられます。どうやったらこんなスゴイ人になれるんでしょう?
この本で学べること
人や組織に影響を与えて企業を動かすリーダーとなるために必要な「7つの裏ワザ(ダークスキル)」の習得方法と使い方
この本のエッセンス
ダークサイドスキルとは
MBA(Master of Business Administration;経営学の大学院修士課程の修了で授かる学位)で習得できる手法だけでは、事業を成功させるには不十分であり、人と人で成り立つのが事業である以上は、人を動かすスキルが必須となります
正攻法のスキルを「ブライトサイドスキル」と定義します
そして、正攻法ではないスキルを「ダークサイドスキル」と定義します
分かりやすい人物イメージでいうと、大河ドラマなどで描かれる「木下藤吉郎(のちの羽柴秀吉)」のような人たらし的な暗躍スキルです
上司も同僚も部下もうまく使うこなす天才だなぁ、といつも感心してしまいます
余談ですが、NHK大河ドラマの「利家とまつ」や「秀吉」はのめり込むほど面白いのでおすすめです!
ブライトサイドスキル
・論理的思考力
・財務会計知識とスキル
・プレゼンテーションスキル
・資料作成スキル
一般的に「ビジネススキル」といわれる類ですね
ダークサイドスキル
・人や組織に影響を与え、動かす力
・空気を支配する力
・人を正しく見極める力
・厳しい意思決定を断行できる力
これらが暗黒の力・・・!
7つのダークサイドスキル
①思い通りに上司を操る
トップが持てる情報は断片的であると理解する。
この非対称性を利用して、前向きなCND(調整、根回し、段取りの頭文字)を仕掛ける
②KYなヤツを優先する
真の多様化とは、お互いの価値を認め合い、補完し合うこと。その結果、有効面積が拡がる
「〇〇はどう思う?」と問いかけることで、KYな人間を育てる
それをどれだけ拾えるか、許容できるか、が器
ただし、いつでもどこでもKYではなく、ポイントでCNDしておくことが大切
③使えるヤツを手なづける
他人のスキルをいかに活用するかを考える
自分一人だけで全てできるワケではなく、人の手を借りてこその成功であると理解すること
・「知らないことは知らない」と言って聞き、自分に足りないところを見極める
→ それを補完できるネットワークを常日頃から持つ
・自分を叱ってくれるメンターを探す
分からないことを素直に認めて
他人に頼ることは円滑な人間関係には大切ですよね
④堂々と嫌われろ
・限られた情報で行う「決断」
・小さな意思決定から逃げない
・親しみやすさと敬意や畏怖の両立は困難
⑤煩悩に溺れず、欲に溺れる
大欲に立ち、弱みや恐れと対峙し、自分なりの価値観を理解する。
自分を棚卸しし、それを共有する(ジョハリの窓を意識する)
※「大欲」は悪い意味で使われる印象ですが、ここでは「大きなことを成し遂げたい」という意思のこと
自己分析をおこなう際に使用する心理学モデルのひとつ
「自分から見た自分」と「他人から見た自分」の情報を切りわけて分析することで、客観的に自己理解すること
⑥踏み絵から逃げるな
有事の際に、その場を丸く納めて難をしのぐのか、それとも一歩も退かずに立ち向かうか
その“男気”を繰り返し見せることで、「男気貯金」をする
"男気"のある上司に、部下はついてくる。
⑦部下に使われて、使いこなせ
・地道に価値観や改革の方向性を共有できる仲間をもっておくこと
・部下からのネガティブフィードバックをもらう
・情報は自分でとりにいく。部下からの報告を待っていてはダメ
・部下の為に時間を使うのがリーダーの重要な役割であることを理解する
ダークサイドスキルを磨くポイント
①いつでも戦える態勢を整える
合理(論理的な正当性)と情理(人情と道理)の狭間、を理解する。先送りしてよいことはない
問題の先送りは一番ダメ・・・
②人を操る3つの力
・コミュニケーション能力 + 財務諸表が読めること
・人間力(硬・軟を織り交ぜる)、メンバーが自分たちを見てくれているという安心感を与える
・リーダーとしての高い使命感
③ブレないリーダーになるために
・数値目標でないビジョンを描いてみせる
アートがビジネスに影響を与えることは
この本にも書いてありましたね!
・言行一致を目指し、腹をくくる
・仕事/家庭/プライベートを分ける
・孤独な時間を大切にする
・最強のチームを作る
所感とおすすめ度
上司や部下を上手に使える人は、信頼がおけるので人事評価も高いです
そういう人に共通するのは、冷静で自分の周囲や上位層の意図をよく理解してること
業績だけではなく、人間力に人事評価の重きが置かれる時代です
結果的にそれが組織の運営にいい影響を与えることになるからです
この本を読んで、内容に目新しさはないものの、やれてないことが多いなぁ・・・と反省することが多かったです
「ジョハリの窓」はこの本で知りました
自分を客観的に見ることができれば、どう振る舞えばよいのかが見えてくるはずです
それが行動指針になって、自ずとありたい姿に向かえるのではないでしょうか?
おすすめ度:★★★☆☆
闇の力というか、段取り力のような印象ですが、参考になる考え方が詰まってました
リーダーとはこうあるべき!という情報を集めたいなら必読です。
電子書籍だとスマホやタブレットで読めますよ!
私のヘビーユーザー(散財)な読書アプリ紹介しておきます
とにかく豊富で選ぶだけで時間が過ぎるけど、それは時間の無駄なのでしょうか(;'∀')